馬野郎

京都に一軒だけの馬肉専門店、その名も馬野郎。


通常は冷凍と解凍を2回繰り返すところを冷凍した馬肉を解凍せずに輸送し提供してくれる。


こんなにも馬肉は美味かったのか。



馬の各部位の窪みにそれぞれの部位の肉が置かれて出され、これを全て刺身で頂く。そういえば、2012年時点で馬肉が合法的に刺身で食べられる唯一の哺乳類の肉なのだな。ヒレ、ハツ、ハラミは絶品。下味でもつけているのかと疑うほどに甘味とコクの強い味に驚く。どんな経緯か知らんが、昔の人は馬肉に桜肉という名を与えたわけだ。日本人にとって心情的に重要な桜の名を。これを山葵醤油で頂いた。脂質であるタテガミとヒレを同時に重ねて食べると美味いと店に奨めていただいた。脂のコクは出るが、やはりヒレ単体で食べるほうが好きかもしれん。



「馬」の語源は「うまし」からきているのではないかと思うほど。馬のしゃぶしゃぶなどはふんわりと蕩けるよう。他にも馬の唐揚げ、馬の筋肉の煮込みなど馬尽くし。サラブレッドの美しい容姿を思い浮かべると目の前に並ぶ肉片に無常を感じるが美味い物は美味い。仕方がない。


馬鹿を承知で殺処分された競走馬が出されることはあるのかと聞いてみたが、食用に育てられた馬しか扱っていないそうだ。競走馬はドッグフードなんかになるという話のほうが有力そうだ。


先週は鴨尽くし、今週は馬尽くし。こうなると美味な猪肉も食べたくなる。