泥鰌柳川鍋、蛸梅干し土鍋御飯、ほうれん草の白和え、白味噌汁


泥鰌に挑んでみたかった。


午前中に買ってきた駒泥鰌という小さな泥鰌をアルミのボウルに水を張っていれておいた。2匹だけ蓋付きガラス瓶に入れて息子と鑑賞した。


それから公園に遊びに連れていき、買い物をして1時間半後に家に帰るとなんと瓶の上から跳ね出て床で乾いていた。それを気付かず嫁がさらに踏んでしまったらしい。もうその一匹は死んでしまったと思ったが水に戻すとまた激しく泳ぎ始めた。とてつもない生命力。鰻一匹で泥鰌一匹の栄養と言われるだけのことはある。

塩でヌメりを取り、哀れだが日本酒に浸して酔わせ、動かなくなったものをフライパンで焼く。魚屋の大将曰く、小さな泥鰌なので開くことも内臓を取ることもせずにそのまま使って良いらしい。ササガキにして水に晒した牛蒡と葱を敷き詰めた上に醤油、味醂、日本酒各50mlに出し汁200mlを加えて煮た。牛蒡に火が通った頃合いを見て溶き卵を流し込み半熟にして完成。


結論からして6cmほどの体長の泥鰌は既に背骨が太く強く、幼児には向かない。もっと大きな泥鰌をきちんと開いて内臓も取り除いて作った方が美味しいだろう。小さな泥鰌の身をちみちみと背骨から外して息子に取りわける羽目になった。


30匹近くの泥鰌の出汁で煮られた牛蒡と葱は絶品。蛸のブツ切りをふんだんに入れた土鍋御飯は桜色に染まって安定の美味さだった。ほうれん草の白和えも息子が食べてくれるので嬉しい。


酔鯨純米酒と越後鶴亀の吟醸酒をそれぞれ合わせ比べてみたが、全てにおいて酔鯨の方が美味い。料理を邪魔しない抑え気味の芳香にしっかりとした酒の味がする。越後鶴亀は呑む度に香りが料理の味を吹き飛ばしてしまう感じだ。


今度からもっと皿への盛り付けも考えて、明るく美味しそうに撮りたい。