- 菜の花と桜のいすみ鉄道を楽しむ
- 駅前で自転車を借りてサイクリング
- 大多喜城と桜
- 街道沿いの街並みを楽しむ
- 「豊の鶴」蔵元訪問。名酒を買う
- 有家のとんかつが美味
- 甲冑を着てコスプレ撮影
- 昔の商家や蔵を見学
- 高速バスで東京駅に直帰が快適
普段は車で遠出することが多いので電車旅も新鮮で楽しいが、ちょっとした距離の移動が不便だったりする。しかし宿が養老渓谷駅と上総中野駅に連日送迎してくれたので快適に動き回れた。
小湊鐡道といすみ鉄道は上総中野駅が互いに終着駅で乗客は乗り継がないといけないのだがそんな駅がなんとも簡素で長閑でほっこりとする。
線路も駅の看板標識も車両も総じて小湊鐡道は素朴でレトロ。いすみ鉄道のほうが資金が潤沢なように見えた。小湊鐡道は思えば五井駅から上総中野駅までひたすら田園風景の中を進む。そもそも人口も少なく、駅の利用者も少ない。同様にいすみ鉄道も往復2時間もかからない短い距離を独立採算の私鉄が走っていることが驚きだ。
いすみ鉄道はたった27kmをつなぐ第三セクター運営の私鉄だ。2019年の収支は売上1億5千万円に対し純利益3698万円の赤字。コロナ禍の2020年、2021年はもっとひどいだろう。資金が潤沢なわけではないようだ。
それでは小湊鐡道はどうなっているのかと思ったが、こちらは京成グループの子会社でバス事業のほうが大きく、会社としては2018年では売上54億円で純利益も1億5482万円と黒字が確保できている。鐡道事業だけでは完全に赤字だとは思う。小湊鐵道のほうが民間経営である分、収入に見合う投資範囲に抑えているのかもしれない。
世知辛い話から入ったが、銚子電鉄といい千葉には零細の私鉄がなぜこうも多いのか。統合整理もされず個別に存続しているのが不思議。
そんなわけで2日目も菜の花と桜を車窓から楽しむ。
これでもかという黄色と桜色の盛り。
運転席脇に立つと桜と菜の花をかき分けて進むような景色を楽しめる。場所によっては完全な桜のトンネルと化していて夢心地。
大多喜駅に降りると駅前には土産物屋、観光案内所がありレンタサイクルが利用できた。子供用の自転車も用意され、ヘルメットも完備。大人2台、子供2台で一日1200円はお手頃な価格設定。大多喜城へ行ったり、城下町へ行ったりと動き回るには自転車が有難かった。
大多喜城は二万石の大多喜藩のお城。徳川四天王の本多忠勝が整備した城と城下町と聞いていたので二万石はえらく小さいと思ったが、当時の本多忠勝は十万石で徳川天下統一後は本多忠勝は伊勢桑名に封じられている。その後の松平家が二万石で封じられたからだそうだ。
大多喜城下町唯一の酒屋、豊の鶴酒造。大多喜を代表する歴史的建造物の一つ。
古い風格ある商家が並ぶ。
昔は質屋と古物商だったという土蔵造りの建物を見学。かなり潤っていたようで厚み10cmの木板を掘り込んだ欄間や天井の唐紙など贅沢な趣味が今に残る。
なかなかの綺麗侘び。
釘など使っていないのに真鍮の鶴の釘隠し。
こういう本格的な和室が欲しい。
見学後にFRPで作られた甲冑を着て撮影させてくれるのだがこれが子連れには大変お勧め。着せるとかなり本格的で、子供が可愛く撮れる。フォトスタジオなんて目じゃない思い出の写真が撮れた。
裏庭には立派な稲荷社があり、豪勢な細工の社殿を風雨から守るためにさらに堂を作って覆っている。
大多喜散策をした後は、結局バスで帰ることにした。いすみ鉄道で大原まで出て、そこから外房線を千葉駅や蘇我駅などで乗り継いで行くと3時間近くかかってしまう。高速バスで東京駅まで乗ればアクアラインやら海ほたるやら子供が行きたいと言っていた道も通れて好都合。2時間で帰ることができた。
養老渓谷を含め、たくさん歩いた二日間だった。妻にはあなたが計画すると毎回長く歩かされると苦情をもらったが、旅行に行ったからにはクタクタになって帰りたいと思ってしまう。
東京からの実距離の割に所要時間がかかる外房エリア。予想以上に田舎だし、緑が多く、魚介も美味しい。一度は来てみたかったのでよかった。