マンゴー殿の通夜


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亡骸を連れ帰り、週末の火葬を待つ。

普段の寝てる姿と変わらんよ。胸の上下の動きが見られない。触ると冷たい。

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キノコ栽培ドームにたくさん保冷剤を入れて、エアコンを効かせて安置して脇に寝た。

乗っかるたびに追い払われていた私の枕代わりのクッションに乗せる。これまで14年を共にして、残されたのはあと三晩。
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死後硬直で首が立っているから本当に生きているような錯覚を覚える。今にもむにゃむにゃ舌で鼻を舐めそうだ。

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真夏でも日向ぼっこをしたがる犬だった。フィリピン生まれだからか、冬は炬燵に潜り込んでばかりの寒がりの犬だったからこんな冷房を効かせた部屋で安置は本当ならしたくない。

 

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朝、4km先の動物霊園のある哲学堂まで走った。

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ガンジーさんが神々しかった。何か悟るわけでもなく、救われるわけでもなく、
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日はまた昇り、生活は続いていく。死んだもののことは忘れていく。忘れたくとも忘れられない人が取り残される。
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動物霊園なんてそんなに墓参りしないだろうし、やはり自宅に埋めようかと思う。
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名前を呼ぼうとすると声が震えて呼べない。
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飼主のエゴだけれども、それなりに幸せな一生だったのではないかと思う。この数年は在宅勤務ばかりだったし、この7年はいつも同じベッドで寝ていた。亡くなる前々日までは階段を難なく登り降りしていたし家の中でも不自由していなかった。本能として群れたい犬としては在宅勤務期間は寂しくはなかったのではないか。