土中から這い出す途中で力尽きた蝉幼虫の冬虫夏草。
羽化の途中で力尽きた蝉の冬虫夏草。
この2鉢を作り、おもむろにもう一つ作りたい衝動に駆られた。成虫として寿命を全うした蝉の冬虫夏草。この三部作が必要に思えた。
虚無感に満たされて全てが無意味に感じる時。こんな心理の時は没頭度合いが深く制作は驚くほど早い。迷いがない。そんな時にできた作品は再び同じように作れなかったりする。
制作者が無感情で量産した制作品ではなく、心を削り出して投影したカケラだとは言えるかもしれない。まだまだ技術的には拙いながらも。
1時間半で出来上がった。細い粘土紐で翅を作ってみたが、素焼きと本焼きを耐えられるかはわからない。しかし白い釉薬で焼き上げられたならば気にいる作品になってくれそうな予感はある。
左右だけでなく、片翅だけにしようかと思う。
がらんどうの腹から植物が生える。