大阪万博で予想を裏切ったのはリングの大屋根の上には植物が植え込まれて草原のようになっていて、中心部やあちこちも洋花を敷き詰めたような飾り方ではなく日本の山野草が咲き乱れていること。
Earth MartやDialogue Theatreという映画上映施設の一画が特に素晴らしくて私の中の大阪万博のイメージを打ち壊した。高山性の樹木や山野草の中に建てられた何十年も前からそこにあるかのような木造建築。
1〜2時間待ちのパビリオンを必死に回るのも一つの楽しみ方だけれども、のんびりと持参したオヤツを食べ、あちこちのベンチに寛ぎながら過ごすのも大阪万博の一つの楽しみに思える。
この竹が組まれたベンチも通気性があり、リクライニングの角度も良く、伸びた竹が日陰を作ってくれてデザインが秀逸だと思った。歩き疲れたらのんびりと座って休憩できる。
目を向けるとあちこちに癒しの光景。
洋花で埋め尽くす派手さはなく一見、地味なのだけれどもあちこちに蛍袋、桔梗、紫陽花、撫子が咲く。無論、意図的な植栽なのでこれが夏になり秋に向かう中でどんな山野草に変わっていくのか楽しみだ。
よくぞこんな光景を再現してくれたものだ。移築して保存されることを願う。
それにしても撫子の可憐にして鮮やかなことよ。
捩花を育てていることに心の中で拍手喝采。