一つ一つのカテゴリーの収蔵品数は多くはないが素晴らしい最高峰のものを選りすぐった印象が強い。私のように浅く薄く鑑賞したい人には飽きることなく良いものばかりが見られてとても満足度が高い。
オウム貝に描かれた線の超絶微細な蟲の数々。
当主のお気に入りの書斎「ダンテの書斎」に飾られていたお気に入りの美術品の一つだったのだろう。
金持ちは恐ろしい。自分が良いと思ったものは何でも集めてしまうしその財力もある。
メメントモリと題された表に若い男の肖像、裏には上下反転した髑髏が描かれた作品。回転して展示されるものだったらしい。
クリームウェアとも呼ばれた白い陶器も極上なものがあれこれ置かれていて目を奪われる。
さすがイタリア。ミケランジェロのラオコーンの複製白陶像。そのクオリティもピカイチ。保存状態も良好。
私は壊れやすい細い箇所の多い陶器を作ることに申し訳なく思うこともあったが、イタリアに来たらぶっちぎりで精巧で繊細な陶像がたくさん並んでいて清々しく勇気づけられた。
パンタローネとコロンビーヌのサーカスコンビ。
こちらはアルレッキオとハーレクイン。
当館を代表する15世紀の最も保存状態の良い「若い女性の横顔」の1枚。
このゾクりとする流し目よ。
またもやゾクりとする流し目。母の乳を自分の当然の所有物としているかのような尊大さも感じる。
武器甲冑コレクションも品だけでなく陳列に高い美意識を感じる。
陳腐に反復的に並べるのではなく群像的にコレクションを一つの作品と成している。
いつか再訪したい美術館。