2013年に造ったらしい。京都から東京に引っ越す直前、そして5年ほど陶芸から遠ざかる前の作品のようだ。つまりこの常盤忍は7年間ほど手元で育てていることになる。
成長が遅い。。。そりゃ、7年もたてばそれなりに伸びてきているけれどもモジャモジャと塊になるぐらいに育ってはくれなかった。それでも右半分の綺麗な放射状の葉の展開と右下の根茎の垂れ下がり具合はなかなかのもの。
名前に常盤とつくように冬にも常緑の葉を保ち、ここ東京では冬も露天栽培で雪を被っても氷雨に打たれても元気に育っている頑健な日本の自生種。
玄関先の場所を転々と移動させられているから葉のつき方が偏ってしまっている。
白いふさふさとした根茎を今年も旺盛に伸ばしていきそう。
うまく管理したら、全ての根茎を白いフサフサのままに維持できるのだろうか。
台座から蓋を取れるように作っていたのだが、根茎がしっかり抱き込んでしまった。このまま、陶肌が見えなくなるまで根で覆ってほしい。
7年間で最も育ったのは鉢そのものかもしれない。大ぶりな貫入に土やらが染み込んでくっきりとした模様が浮き上がっている。これはこれで風格が出て好きだな。
たぶん、もう20年でも30年でも常盤忍なら植え替えは必要ないのだろうな。鉢の一つは陶芸仲間にもらわれていったので、また似た鉢を2,3つ造ろうかと思う。高さの異なる鉢がいくつかあっても良い。クサリカビのようなもっと丸みを帯びた細長い鉢はどうだろうか。10年後の姿や如何に。
胞子を飛ばし始めるまで書斎に飾らせてもらおうか。苔玉よりも陶器の外殻がある分、乾燥しづらく1週間は水やりをしなくても元気に過ごしてくれる。