蝉の造形

至る所で蝉時雨。命を燃やすかのように狂ったように鳴いている。道路で車に踏まれた蝉は生きてた頃から水分などなかったかのように乾燥している。空っぽの鳴動する殻。 そんな蝉を思い浮かべながら一体を造形してみる。胴体を胸の下で輪切りにして鉢に載せて…

「博物ふぇすてぃばる」は地獄楽

東京は九段下にある科学技術館で「博物ふぇすてぃばる」なる自然造形系の展示販売会があると聞いて行ってみた。 ・昔は子供達の自由研究のネタになるような素材やキットが売られていたらしい。 ・今はX万円はざらなハンドクラフトマーケットと化している。1…

梱包出荷作業が苦手

一番のお気に入りの一つなのだが委託販売に出してしまった。しかし名残惜しくて売れずに戻ってくる可能性のある値付けにした。 その値段を出して買いたい人がいるならば譲っても良い、そういう作り手目線の勝手な値付けだ。 何せ数ヶ月かけて焼き上がり、さ…

陶蟲夏草 3鉢造形

蛹の陶蟲夏草ばかりを3つ作った。 作ったさ。第一内歯の発達したフジ型ミヤマクワガタのオス。きっとミヤマクワガタ愛好家の目に留まったら「おお、フジ型だね。エゾ型もあるの?」と思うに違いない。エゾ型も作ろう。 ガラス瓶の上に嵌める一輪挿し型陶蟲夏…

こってりとしたミヤマクワガタの蛹

蜜蝋でできた作り物のような表面のこってりとした色合い。なんだか蜂蜜のような。 眼だけは蛹のうちから黒いのか。 腹の先はいつも時計回りに回す。蛹はじっと動かないものだと思ったが幼虫よりもずっと活動的に激しく動くとは知らなかった。 カブトムシ、ク…

2023年撮り下ろし真夏のセミヌード

夏の風物詩といえば深夜のセミヌード撮影会。無料のエンターテイメントだ。今年も蚕糸の森公園へ息子たちと繰り出した。 20時に次男と見に行った時には羽化途中のものは見られなかった。22時過ぎに長男と見に行ったら目線の高さで羽化している個体がいた。多…

ミヤマクワガタの不条理な死

2021年の夏に秩父で子供たちと採集したメスが産卵したものを孵化させ2年かかって2023年にようやくミヤマクワガタを羽化させた。 瓶の底で蛹化すると羽化時の水分が床に吸われずにベシャベシャになり羽化不全を起こしやすいと聞いてひっくり返していた。 それ…

陶蟲夏草鉢 黄金虫、蝉成虫、鹿鍬形、タランチュラ、蝉成虫、団子蟲

息子を連れて工房へ。削った鉢に陶蟲を載せるところまで作業できた。息子の面倒を見ながらにしてはなかなかの進捗。 まずは黄金虫。 変形粘菌の子実体は敢えて加飾しなかった。 触角がいつ折れるのか。ぶつからないような場所につけるべきなのだろうか。 お…

アーティストデビューと呼んで良いのか

365 ART PLUS MAGAZINEとやらから掲載のお誘いを頂いて45号に載せていただいた。 見たことも聞いたこともない雑誌なのだが予め印刷した雑誌を書店で販売するのではなく、全て電子的に原稿も作り完全受注印刷で予約部数だけ発行と配送をしているらしい。 ・新…

蝉の成虫の造形、飛蝗の鉢載せ

半年ぶり近い轆轤での水挽き。大小様々な陶蟲夏草鉢にするために大小様々に作っている。しかし同じ径、同じ高さで作った方が後々、梱包など楽だとの思いもよぎる。しかし蟲を鉢の寸法に対して合わせて調整していくのは嫌だ。無意識に作るそれぞれの蟲のサイ…

造形作業記録 飛蝗、蜘蛛、団子蟲

4月の窯出し以来、次に向けて作陶再開。 飛蝗。胴が細いので体内に根を張らすには不向きだが台座鉢に直結させればいけそう。付節の向きを間違えた。死んでも外向きなはず。 背中から植物が生えるようにする予定。 斜めの台座鉢に斜めに蟲を置く。 飛蝗は新し…

蟲好きなら一度は行きたい「灯螂舎」

なかなかここまでテーマ性の明確なギャラリーカフェもないのではないか。蟲、焼菓子、アンティーク。 東京駅から3時間ほど上越新幹線、両毛線、上毛電鉄と乗り継いだ大胡。大胡駅前はリトルオランダだった。 川沿いを8分ほど歩いた先にあるトタンの小屋。こ…

羊頭狗肉 其の二

スタンダードプードルのいる中野駅前のカフェ「タイニーアリス」が閉店してしまっていた。犬欠乏症が加速する。犬と遊びたい。 まんだらけで「火の鳥」鳳凰編を買って芝生で息子と読む。私の中で最愛の漫画は何か一つを選べと言われればこれかもしれない。 …

陶蟲夏草で少しばかり世に打って出る

世に少しばかり打って出る。 表現が大袈裟かもしれない。しかし私の中では慌ただしい日常から時間を捻出して対応するには必要な意気込みだ。 群馬に「灯螂舎」というかなりコアな蟲マニアが集う昆虫原料を使ったオシャレ焼菓子屋がある。蟲にまつわるアート…

洋梨香る サワークリームのチーズテリーヌ

灯螂舎の昆虫原料入り焼菓子シリーズ。 5種類の焼菓子を頂いてしまった。 蚕沙という蚕の幼虫の消化不良の糞が入ったモノは美味しいのは知っている。蟲ではなく蚕に新鮮な桑の葉を半加工してもらっているようなものだ。世界一高級なジャコウネコの糞珈琲コピ…

ミヤマクワガタの蛹化

6月1日時点では確かにまだ幼虫だった。 6月4日に確認してみると一番大きな幼虫が既に蛹になっていた。しかも立派な大顎が見えるのでオスだ。嬉しい。 羽化までに1ヶ月ぐらいはかかるらしい。直径10cmのボトルに頭部が腹部に畳まれる形でいるのでかなりなかな…

胞子植物と陶蟲夏草鉢

庭から摘み、鉢に挿してみた。 良いと思った。不思議な一体感がある。 そもそも冬虫夏草をモチーフにした鉢だからか。陶の子実体の翡翠色が羊歯植物の色合いとも相性が良く、焦茶色の新芽が引き締まる効果を発揮している。 茶と若葉色と翡翠色と白。色数の割…

陶蟲夏草鉢 7鉢の納品梱包の備忘録

店舗に置きたいというお誘いに応じて7点ばかりを委託販売をお願いすることにし、初めて納品しにいく。 不特定多数の方に売るのは初めてだ。売るために作っている職業作家ではなく自分が欲しいものを作っているので手放すのは寂しい。そんなわけで記録に残し…

蝉三部作 寿命尽きた成虫の冬虫夏草

土中から這い出す途中で力尽きた蝉幼虫の冬虫夏草。 羽化の途中で力尽きた蝉の冬虫夏草。 この2鉢を作り、おもむろにもう一つ作りたい衝動に駆られた。成虫として寿命を全うした蝉の冬虫夏草。この三部作が必要に思えた。 虚無感に満たされて全てが無意味に…

釉掛け 13鉢。

素焼き完了。 窯に異常無し。 この時点で不本意な出来栄えのものが4割ほどある。 途中で失敗したり、あとから造形に大きな不満があることに気づいても乾燥してしまったものは手直しができない。そんなものも素焼きして釉掛けしてしまっている。ハードルを高…

蟹ブックスでエロい本を買う

2022年9月に開業したアパートの2階の1室を改装した小さな本屋。 情報過多すぎて大勢が愛する高評価な本はamazonなどの評価で判断できるけれども、ニッチなジャンルの面白い本は探すことが難しい。 だから自分の嗜好性と一致するセレクトショップ型本屋は自分…

蝉幼虫 寄植え 陶蟲夏草鉢

1週間に2〜3時間でも無心に手を動かす時間というのはストレス発散の上でなんとも貴重。私にとって作陶は心を空にする坐禅のようなものかもしれない。 信楽白土を1.5kg近く使って私にとっては大きめな多肉植物寄植え用の蝉幼蟲型の陶蟲夏草鉢を作った。 身体…

陶芸作家の真似事始め

取り敢えず店主からご指名が入ったこれら作品を委託販売してみようかと思う。団子蟲、蝉幼虫が店主のお好みだそうだ。冬虫夏草を想起しやすいからかもしれない。そこに鋸鍬形、兜蟲。こちらは蟲好きに人気の高いモチーフだからか。 蚕蛾と蠅取蜘蛛は選ばれな…

一輪挿し 5個造形完了

どれも底がない、ガラス筒に載せて一輪挿しとして使う陶蟲夏草一輪挿しカバーを一気に5個制作した。 小さい冬虫夏草にまみれた団子蟲。 背中の三箇所の穴から花を挿す。一輪挿しは大きな開口部は要らないし、開口部が狭い方がまっすぐに花を保持できて便利だ…

陶蟲夏草鉢の改善 蠅取蜘蛛

蠅取蜘蛛を改善。眼をしっかりと穴を開けて埋没させる。 脚の先の節を細くする。 触角を太く節をつけた。 脚を逆さハの字に広げるポージングが蠅取蜘蛛らしくて好きだ。 子実体を加飾。眼は黒く焼き上げてやりたくなってきた。半分、白い釉薬が掛かっている…

陶蟲夏草鉢 団子蟲三鉢

飽きてきた。陶蟲夏草鉢を作ることには飽きないのだが、毎日陶蟲夏草鉢のことを書くことに飽きた。日常の気づきや見つけた心に残るものを備忘するためのブログではなかったのか。 団子蟲の鉢を三鉢焼いた。もうまとめて書く。 鉢だけだと少し寂しいかもしれ…

陶蟲夏草鉢「兜蟲」二鉢

兜蟲の陶蟲夏草鉢を2鉢焼いた。 海外にはヘラクレスやネプチューン、ゴホンヅノなど胸部に巨大な角を持つ見た目が豪壮なカブトムシが何種類もいるが、やはり頭部に長い上向きの角を持つヤマトカブトムシがかっこいいように思う。カブトムシの餌場争いでの戦…

陶蟲夏草鉢「鋸鍬形」

鋸鍬形蟲の陶蟲夏草鉢が焼けた。 なかなか

陶蟲夏草鉢「揚羽蝶幼蟲」

揚羽蝶幼蟲の陶蟲夏草鉢が焼き上がった。 胴体部分が水晶に癒着しなかったので芋虫のか細い数本の脚だけで繋がっている。 いつ折れるかわからないので、はっきり言って売物にならない。予想中に折れるかもしれない。 そんなわけで手元に置いておくことになり…

陶蟲夏草鉢「塵蟲」

塵蟲の一種ということにしている具体的なモデルのいない甲虫の陶蟲夏草鉢が焼き上がった。鉢と蟲のバランスがとても良いように感じた。鉢の上にちょこんと小さな蟲が乗っかった印象にならず、十分に蟲に視線が行きながらも蟲がはみ出すぎないバランス。 冬の…