美術館 博物館

藝祭2024

「学生時代は9割方つらい思い出ばかりだけれども鮮烈に記憶に残っている」といった内容の美大生のSNSかきこまみ 歴代の神輿の模型が残されていた。この神馬の神輿の見事さは強く記憶に残っている。 このハンバーガー神輿は群馬かどこかの農村に移転展示され…

藝祭2024 染色

藝祭2024 絵画

藝祭2024 目に楽しい組み作品たち

藝祭の同一テーマで何枚も絵を描いている組作品が楽しかった。 公園の遊具を描いたシリーズ。 少ない手数で描いているのが本当に凄いと思う。とてもハイコントラストで部分を描きそれ以外も想像で補わせる。 どこを描きどこは描く必要がないのか、その選択が…

藝祭2024 蟲祭

藝祭や五美大展を訪れているとやたらシーラカンスが多かったり、アロワナが多かったり、ゾウガメが多かったりと同一モチーフが複数重なる年がある。何か授業でその刺激となる映像に多くの学生が触れたりするからなのか。今年は例年よりも蟲をモチーフにした…

雅叙園百段階段 金属造形作家 征矢剛さん

金属造形作家 征矢剛(そやたかし)さんを目黒雅叙園の百段階段の展示で初めて知った。今回は蟲モチーフの作品の数々で私としては見逃せない。 たんぽぽの綿毛が電球になっていて灯るのだが、金属製の蟷螂が前脚を伸ばしている。 彼岸花に鳳蝶という幽玄な世…

雅叙園百段階段 鬼師 永濱貴之さん

鬼瓦を作る職業を鬼師という。その作家さん永濱貴之さんの軒瓦一式に惚れた。 雲に乗った菩薩然とした招き猫。顔が存外に神妙な顔つきでそれもまた良い。 私もこのような童話のような作品を作ってみたい。 瓦の燻銀な陶肌も好みだ。 雲に乗る飛翔モードの蝉…

雅叙園百段階段 よねやまりゅうさんの妖

造形作家よねやまりゅうさんの「ことだま」。一目見た瞬間から釘付けになってしまった。 この妖艶という言葉がしっくりとくる人外の生き物の色。背骨から続く尻尾の曲線。 背中が割れ、髑髏が身体の奥から覗いている。背中が割れる造形は私も好きだがこの形…

目黒雅叙園百段階段 和の灯展

誘拐登録文化財の木造建築、動植物をモチーフにしたわかりやすい造形アート、その2つをまとめて楽しみたいならば目黒雅叙園百段階段の企画「和の灯」展はピッタリかもしれない。 昭和の竜宮城とも謳われた目黒雅叙園の百段階段と呼ばれる御殿で御伽噺からテ…

トリノ王宮の騎馬

トリノ王宮の武器武具を馬に騎乗した甲冑騎士とともに展示している広間があるのだが目を見張る素晴らしさだった。 羽飾りも風に揺れ保存状態が良い。 甲冑、剣が装飾品のように幾何学的に陳列されている。 この眼に生気を宿した馬の剥製の存在感よ。 この手…

スフォルツェスコ城 Castello Sforzesco

こんなに見応えのある城は初めてかもしれない。大きな堀と分厚い城壁で囲まれながらも戦場の城ではなく中は宮殿のよう。そして収蔵している文化財が多岐に渡るうえに国立博物館級に水準が高く見応えがあった。 宗教画、肖像画 巨大なタペストリーの数々 大理…

ポルディ・ペッツォーリ美術館 2

一つ一つのカテゴリーの収蔵品数は多くはないが素晴らしい最高峰のものを選りすぐった印象が強い。私のように浅く薄く鑑賞したい人には飽きることなく良いものばかりが見られてとても満足度が高い。 オウム貝に描かれた線の超絶微細な蟲の数々。 当主のお気…

ポルディ・ペッツォーリ美術館のステンドグラスの間

ポルディ・ペッツォーリというミラノの貴族がオーストリア支配時に対抗して国外を転々としながら各地の美術に触れ、その後50年掛けて美術品を収集しミラノ万博に合わせてペッツォーリ家の私設美術館として開館した美術館。 そのペッツォーリ当主のこだわりを…

自然科学、標本学の聖地「DEYROLLE」

博物標本店の聖地とでもいうような有名店DEYROLLEはフランス・パリにある自然科学と教育学のためのパリのメゾンで剥製や標本、自然史に関連する多くの専門的な書籍も販売している1831年創業の老舗専門店。非常に貴重な動物個体の標本が数多く陳列されていた…

阿佐ヶ谷の尖がったアートギャラリー「Red Cube Gallery

高円寺に住んで日々徘徊して9年近くなるというのにノーマークだった阿佐ヶ谷のアートギャラリー。5〜6年前にできた美容室の2階に2年ほど前にできたという「Red Cube Gallery」。見つけやすい外観をしている。 美容室の1階を突き抜けて階段を登るとひたすら赤…

ガラス工芸美術館

入口の白い巨大なガラス結晶が美しい。 大きな空間に聳えるインスタレーション。青い触手のようなガラスの突起が海の渦のように柱となっている。 台が反射する鏡面仕上げになっており反射も美しい。 海洋生物が散りばめられていた。アンモナイト、ヒトデ、ウ…

アマゾン本社の本気アマゾン化

シアトルにアマゾン本社はあるのだが、大きなビルが1棟、本社として存在しているわけではなく20棟近くの本社ビル群が密集している。その1棟にスフィアと呼ばれるアマゾン=熱帯雨林オフィスがあり、土曜日は外部にも一般公開してくれているので見学してきた。…

2024年五美大展 3

作品の前でしばらく人だかりがあった。 特に陰陽の陰の表現に美人画の画集を数多く出版されている池永康晟さんを思い出した。 ギャラリーもついて軌道に乗っている将来を嘱望された作家さんなのだろうな。美人画は人気がありそう。 何の木だろうか。青と碧で…

2024年 五美大展2

欧州の美術館の19世紀絵画にありそうな雰囲気ながら人物は日本人。 なんともアカデミックで他の学生さんとは異なる時空間とベクトルで制作している印象。100年前の欧州に生まれた方が幸せだったりするのだろうか。存在感の際立つ重厚な一画だった。 写真にす…

2024年 五美大展 1

東京の5つの美大の合同卒業制作展「五美大展」が毎年新国立美術館で催されるのだが、入場料無料で子供と気軽に絵画や彫刻、デザインなど多彩な作品を楽しめる。 多摩美エリアから入ったのだが版画のクオリティの高さに目が覚めた。 モチーフがとても好み。…

王立植物園

王立植物園に入ってみた。入園料は4€。 おお、ミツマタがある。 温室に行くとサボテンが少々。規模感としては新宿御苑の植物園温室のようなイメージ。 カランコエファングやクラッスラ類がちょぼちょぼと数株あるだけでこれだと日本のホームセンターの方がた…

「教科書に載っているような有名な作品」よりも単に「完成度が高く美麗な傑作」をたくさん観たいならティッセンボルネミッサ美術館で圧倒される

マドリッドの美術館といえばプラド美術館。そしてピカソのゲルニカが見られるソフィア王妃芸術センター。旅程が短いとその両方かどちらかしか行けず、ティッセンボルネミッサ美術館に行く人は少ないのではないか。 1920年代から二代にわたって収集された世界…

菊池ビエンナーレ

蟲界の大御所とも言える奥村はなさんのベニテングハゴロモとヤモリのオブジェも発見。 あまり陶蟲をつくってらっしゃる人は少ないので勝手に親近感を抱いている。 この方の陶蟲はどれも蟲らしさだけでなく可愛らしさがある。 中嶋草太さんの風化した骨格のよ…

ピンク背景に骨格標本が美しいインターメディアティク

東京で誇るべきはこの東京大学の科学遺産と文化遺産を展示した無料の博物館。艶やかなピンクを背景に美的センスが迸る展示に毎回うっとりとする。 馬の骨格標本もこの迫力よ。棒立ちした骨格標本はいくらでも見るが、後脚で立ち上がる躍動感溢れる骨格標本を…

インターメディアテクの魚学展

子供を連れて東京駅前の東京大学所蔵の科学文化遺産を無料展示する施設「インターメディアテク」へ。 インターメディアテクにクリスマスツリーを作らせるとこんな感じになるらしい。苦笑。 季節によって展示内容もいろいろと変わるらしい。ますます素晴らし…

ウサギノネドコ「もしも博物展」に参戦

「もしもこんな生物がいたら… もしもこんな植物、鉱物、世界があったら… もしも博物展では、そのような想像から生まれた博物をテーマにした作品がずらりと並びます。 非現実的な要素を持ち合わせながら、リアリティを追求した精密さがあり、その世界に引き込…

復活した国立東京海洋大学海鷹祭

久しぶりに国立東京海洋大学の学園祭である「海鷹祭」に足を運んだ。私が楽しみなのは海洋大学の海鷹祭と東京藝術大学の藝祭の2つだ。専門性の高い国立大学の学園祭は面白い。 潮汁、カニ汁、海鮮チヂミ、タコ焼きなどの馴染みやすいものから 海洋大学なら…

子供が夢中、実験ラボ「イマジナス」

杉並第四小学校が小中一貫の高円寺学園として統合されたことで杉並第四小学校は廃校となった。その校舎を改装して新たに誕生したのがイマジナス。 SUGINAMIのアナグラムでIMAGINUSだそうだ。公募されたアイデアなのだそうで、考えた人は天才ではないかと思っ…

京都国際マンガミュージアム

外気温38℃の京都。盆地は暑い。沖縄は33℃というのに、もはや沖縄の方が避暑地だ。 あまりの暑さにエアコンのないお寺めぐりは嫌だと息子に反対され、京都国際マンガミュージアムへ。 ようは廃校を利用した漫画喫茶だ。 巨大な火の鳥のオブジェ。火の鳥ファン…

アート&アクアリウム 神戸アトア

神戸の友人に2年前に開館したばかりだという神戸港の近くにある水族館に連れて行ってもらった。この球体の水槽が印象的な美しい展示で評判の水族館だ。 正直、泳いでいる魚はとりわけ珍しいわけではない。しかし水槽の形状がどれも目新しく工夫されていて魚…